磐田市岩井地区の桶ヶ谷沼で自然環境の保全・復元活動を行っています

ベッコウトンボの保護・増殖への挑戦

「自然との共存・外来生物との戦いの日々のはじまり」

平成29年度ベッコウトンボ羽化始まる  (平成29年4月

 今年も、トンボのシーズンが来ました。
毎年のことですが、絶滅危惧種ベッコウトンボの羽化が始まりました。
今年は、3月に入り気温変動が激しく、北陸、東北地方ではこの時期としては、たくさんの雪が降ったようです。桶ケ谷沼がある県西部地方も低気温に見舞われて気温が低く、例年に比べ桜の開花も遅れています。
ベッコウトンボの羽化は、この数年、年々早まり3月25日から30日頃でしたが、去年は特別に早く3月23日でした。今年も羽化が近づいたので、3月20日から羽化を期待して朝8時から調査を始めましが29日を過ぎても羽化の気配はいっこうになく心配しましたが、去年より一週間(7日)遅い3月30日8時30分に生簀3号でヤゴが這い上がり羽化が始まりました。3時間かけて羽化が終了、11時30分に飛び出すまで観察して、今年の羽化を確認しました。毎年のことですが羽化1号を確認すると一安心します。
去年に比べ羽化の遅くなったことは、3月20日過ぎの気温が12℃前後と肌寒い日が続き水温、気温ともに低く羽化をしにくい気象条件によるものと思われます。
3月28、29日には気温が上がり、水温も14℃まで上がり羽化の条件がそろい羽化をしたものと思われます。
この羽化の2m右側でも1匹が羽化をしており今年は1.2号が同時に羽化をしました。
羽化の様子

   

平成28年度ベッコウトンボ羽化1号と今までの経緯  (平成28年5月

 今年も絶滅危惧種「ベッコウトンボ」の季節が始まった。

ここ数年来羽化が年々早まり、今年の羽化1号は3月23日生簀1号から2匹の羽化を確認した。昨年の3月28日と比べ、5日も早まった。

 当法人で羽化調査を始めたのは、平成19年からである。平成19年は羽化殻を発見したのが4月14日であり、羽化殻の状態から羽化は、4月12日から14日頃と思われる。平成20年は4月11日、平成21年は4月10日、平成22年は4月11日、平成23・24年は4月7日羽化殻発見と年々早まり、平成25年からは3月末の羽化が始まった。(平成25年3月30日・平成26・27年3月28日)本年は3月23日である。

 平成24年までは、4月上旬(5日~10日)頃が羽化の始まりであったものが、最近では3月下旬と10日から2週間早まっている。地球温暖化(季節の早まり)が主なる要因と考えられている。また羽化終了も平成22年の5月18日から本年の5月3日と羽化の終了時期も早まった。

 一方、生簀からの羽化の数は平成22年から調査を始めた。生簀の数も当初の3基から今年は11基と増えたことが羽化数を増やした要因ではあるが、生簀の中には築造後年数の経過とともにマコモ等の根がはびこりヤゴの生育環境に悪影響がおよび、過去には羽化が著しく減少することもあった。

 昨年の産卵期の生簀の状態から今年の羽化は前年を下回ると予想はしていた。しかし、500匹位は羽化させたいと望んでいたが、463匹の羽化を確認するまでで終ったが生簀内の状態から想定内の羽化数であった。羽化減少を予想できた生簀2号から7号は実際予想通り少なかったので、羽化途中であったが産卵期を見据え生簀内のマコモを刈り取り、根を掘り出し疎らな開放水面に植生した。のちにこれらの生簀に産卵を確認できていることから、来春は羽化が増えるものと期待をしている。

 羽化は年々増加している。平成22年117匹、平成23年325匹、平成24年354匹、平成25年408匹、平成26年396匹、平成27年607匹、今年は463匹の羽化を確認している。この数年300匹から400匹を超え安定的に羽化増が確認されている。目標は1,000匹羽化を目指すが、当面は500匹以上の羽化を安定させることを目標に「保護・増殖活動」をしていく予定である。

羽化の様子

    

平成27年10月~11月活動報告  (平成28年1月

 平成26年11月、沼と一体化した新しい生簀を築造した。マコモ、タヌキモ、ヒシ等を移植して経過を観察したところ、アメリカザリガニ(以下ザリガニ)の侵入はなく、移植した水生植物は順調に増殖、4~5月末にかけてベッコウトンボを始め多くのトンボの産卵を確認した。28年4月の羽化が期待されている。 

 従来の生簀は底に板を張りザリガニの侵入を防ぐ工法である。ザリガニの侵入を防ぐことは可能となり、ベッコウトンボの羽化も年々増加している。しかし植物の成長は著しく生簀内(水面下)に植物の根がはびこり、ヤゴの生育に影響が及び羽化が激減した生簀が出始めている。

 この対策として、4年~5年に一度は根を切り取り、掘り出す作業が不可欠となる。 この門題点を解消しようと試みたのが、生簀の底板を除き、沼深く生簀を埋設することでザリガニの侵入を防ぎ、沼と一体化したのが新型生簀である。

 前述の通り、新型生簀の経過が良好のため、会員の協力をえて、今年も10月25日~11月22日の間、新型生簀2基を築造した。この作業は、沼湿地帯内を水深80~100センチメートルまでヨシ等の根を掘り出し、生簀を埋め込む作業である。

 作業中沼にはまり込む会員もあり、汗と泥まみれになるなどの重労働であった。 新型生簀完成後の計画として、12月中に移植用マコモを沼から抜き取り、天日乾燥(ザリガニ除去)をした後、28年3月初旬~中旬に移植、増殖をさせ4~5月の産卵期に産卵を促すための準備、作業を計画中である。

 

以下、活動の様子は 平成27年10月~11月活動報告PDF) をご覧ください。

 

新型生簀築造後の経過  (平成27年7月

 平成26年11月、沼の自然に近い生簀を1基築造。従来型と異なり底板を取り除き沼と一帯とした。従来型と比べ沼土を倍の1メートル迄掘り、柵板を1メートル20センチ迄打ち込み、ザリガニの侵入を防ぐ工法である。27年3月下旬マコモ、タヌキモ等水生植物を移植、順調に増殖、4~5月下旬にかけベッコウトンボが数多く産卵、来春羽化を期待する。

 ザリガニは経過観察中である。完成時から、カニ網を入れ調査中であるが現在捕獲はされていない。多少ザリガニが侵入しても、駆除を行っていれば大量侵入はくいとめることは可能と思われる。密度の程度と思われるが、ヤゴの生育には大きな影響は少ないと思われる。

 

ベッコウトンボ大量羽化  (平成27年5月

ベッコウトンボ羽化観察会  (平成27年4月12日

 4月12日、NPO法人岩井里山の会は、桶ケ谷沼で初の試み、ベッコウトンボ羽化観察会を開催した。

 ベッコウトンボの羽化は、4月5日ごろから順調に羽化数が増えるが、今年は例年になく天候不順で3月後半から曇り空、気温も低く、又雨の日が多く観察会も11日を予定したが雨のため12日に順延した。当日は、ひさしぶりの好天に恵まれ子供を含めて35名の参加者があった。

 

 ヤゴが枯れたマコモの茎に這い上がり十数分で背中が割れ頭をだし翅がのび羽化して飛び立つと歓声があがった「初めて貴重な羽化の瞬間を見ることができた」と喜ぶ参加者ご多くみられた。初の試みであったが、参加者は今まで見たこともないトンボの羽化を目の当たりして感動、貴重な体験をしたと感謝の言葉を多くの方から寄せられた。

 

 又試行錯誤のすえ、アメリカザリガニからベッコウトンボを守るため、木製トンボ生簀を造ってベッコウトンボの保護、増殖していることに感心を示し生簀の造りかた、植物の移植、なぜベッコウトンボが生簀に自然に産卵するのか等の質問がでた。


 観察会の様子を中日新聞(宮沢記者)が取材、翌13日県内版にて掲載された。

 

ベッコウトンボの羽化(平成27年3月28日)

平成27年度 ベッコウトンボの羽化が始まる
温暖化の影響か春トンボの羽化は年々早まる傾向にある。


3月28日朝8:30に理事長加藤佐登志が生簀調査中今年の羽化1号2号を発見した。去年と同じ3月28日である。今年は珍しく2頭が並んで羽化をしていた。


 春トンボの羽化は、例年桶ケ谷沼ではベッコウトンボが一番早く羽化をするが 今年はヨツボシトンボが一番早く3月25日に羽化、26日にクロスジギンャンマが続き、ベッコウトンボは三番手であつた。

3月20日すぎの天候不順(気温の低下)が原因か、今までこのような経験はなく始めてである。又生息環境に変化があって、ベッコウトンボよりヨツボシトンボが先に羽化したのか、今後のベッコウトンボの羽化を注視しなくてはならない。

山林伐採事業(平成27年3月1日)

暗い林を明るい林にするため常緑広葉樹を伐採

明るい林を取り戻すことは沼の水質浄化、沼再生、又保全地域の復元に大切な事業です。

保全地域は50haと広大でいっきょに明るい林を取り戻すことは困難な状況です。

沼周辺山林を5年計画で伐採事業を実施する予定です。

 

桶ケ谷沼管理運営委員会の業務委託をうけて5年計画初年度は、平成26年度事業として3月1日から3月15日に間、延べ4日間伐採作業を実施した。

 

 

会員延べ35人参加、3,000㎡を伐採、保全地域の一部であるが、明るい林を取り戻すことが出来た。

 

 

 

 

 

桶ケ谷沼復元作業(平成26年11月16日)

従来型の木製トンボ生簀に改良を加えた沼の自然に近い沼再生の生簀造り

アメリカザリガニからベッコウトンボを守る従来型木製トンボ生簀に改良を加えた沼の自然に近い沼再生の生簀を1基築造。


底板張りをなくし高さ2メートル10センチ、四方防護柵を組み立て、沼湿地帯6m四方、深さ1mの沼土を掘り出し、水面下1m20cmまで打ち込み、アメリカザリガニの影響を受けない沼再生の生簀です。

11月16日、23日、30日の3日間、会員毎回10人参加

 

 ①沼土の掘り出し ②沼土掘り出し完了 ③防護柵の組み立て ④枠組み業作 ⑤サリガニ侵入防止ネット張り 

 ⑥防護柵取り付け作業 ⑦埋設前の生簀内部 ⑧埋設固定作業 ⑨生簀完成

山林伐採事業(平成26年10月19日)

保全地域に隣接する民地との境界に発生する事案です。
県有林が大木となり枯葉が茶の木に降り注ぐ、又日当たりが悪く茶葉の生育に影響がでると茶農家より伐採の要望(苦情)があっため伐採を実施した。

10月19、26日の2日間伐採作業を実施、会員各日10名参加